バジル -ペースト状はアレンジの幅もアップ-
ハーブの王様として多くの人に親しまれ、今やイタリア料理には特に欠かせない存在となっているバジル。
一般でよく見られるのはスイートバジルという品種なのですが、バジルは実に150種類以上もの栽培品種があります。
バジルの起源・由来
バジルはインド、熱帯アジア原産のハーブの一種であり、主に葉が食用とされています。
「バジル」という呼び名は英名で、イタリア名では「バジリコ」。
その語源は、ギリシャ語で「王」を意味する「バジレウス」ではないかといわれていますが、一方で、ヨーロッパで伝わる伝説上の怪物「バジリスク」に由来しているのではという説もあります。
バジルは16世紀頃、アレキサンダー大王によってインドからヨーロッパに伝えられたことをきっかけに、イギリス、アメリカと世界中に広がったと考えられています。
日本にバジルが入ってきたのは江戸時代には入ってからで、もともとは漢方薬として利用されていました。
バジルの日本名はあまり馴染みのない名称ですが、「メボウキ」といいます。
このメボウキという名前は、バジルの種子を水に浸してゼリー状にし、その種子で目のゴミを洗って取り除いたという、かつてのバジルの使い方に由来しているとみられています。
薬用としても使われてきたバジルの効果
古くから薬用として活躍してきたバジルですが、その効果の秘密は香り精油成分にあると言えるでしょう。
バジルに含まれている香り成分には、鎮静作用や強壮作用があり、気持ちを落ち着かせてリラックスさせてくれるという効果があります。
またバジルの香りには、食欲を促して胃腸の動きを活発にする働きや、ガンを予防する抗酸化作用があるとも言われています。
殺菌・抗菌作用も強いので、細菌性の病気の予防にも期待できます。
採取した葉をもんで直接皮膚にすりつければ、虫刺されやニキビなどの炎症を抑えるのに効果的です。
バジルと相性抜群の料理
バジルは特にトマトとの相性が良く、パスタやピザ、スープにサラダ、肉・魚料理とトマトを使った様々な料理に使われています。
トマトとモッツアレラチーズにバジルを添えたサラダやピザは、よく見る組み合わせではないでしょうか。
ニンニクやチーズ、オリーブオイルなどと合わせて作るバジルソース「ジェノベーゼ」を使ったパスタも人気の料理ですよね。
パスタの他にも、チキンソテーに添えたり、ポテトサラダにからめたり、ごはんと合わせてピラフにしたり、ジュノベーゼを使った料理はバジルの風味がアクセントになってとてもおいしいです。
摘みたてをサッとちらすだけでも、料理に独特の香りと風味をプラスできるバジル。
初心者でも育てやすいハーブなので、家庭菜園に取り入れて日常的に楽しむのも良いですね。