ペペロンチーノ -味付けのコツはニンニクの風味をしっかり生かすこと-
ペペロンチーノとは?
シンプルだからこそ、料理人の腕が試されるパスタ”ペペロンチーノ”。
正式名称はアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノといいます。イタリア語でアーリオはニンニク、オリオは油(オリーブオイル)、ペペロンチーノは唐辛子を意味しています。
ニンニクと唐辛子の香りをオイルに移し、パスタに絡めるのみの非常にシンプルなパスタですよね。
ニンニクの火の入れ方やソースの乳化のさせ方が少しでも違うと、味に大きな影響がでてしまうので料理人の腕が試される料理ともいえます。
ペペロンチーノの歴史
ペペロンチーノが誕生したのは、イタリアの中南部(アブルッツォ州、トスカーナ州、カラブリア州など)という説が濃厚です。
特にカラブリア州はペペロンチーノフェスティバル(唐辛子祭)がひらかれるほど、唐辛子を愛している地域。
丸い唐辛子や黄色い唐辛子、辛くない唐辛子など、フィスティバル開催中はさまざまな唐辛子を販売しています。
そして、このフィスティバルの見どころは、激辛大食いチャンピオンの決める「唐辛子大食いコンテスト」。30分間に唐辛子をどれだけ食べられるのかを競う競技で、前年の優勝者は900グラムもの唐辛子を食べ尽くしました。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノは、イタリアでは「絶望のパスタ」とも呼ばれている地域があります。
その理由は貧困のどん底であっても食べられるパスタだからだそうです。先ほどご紹介したカラブリア州も昔は厳しい封建時代があったため、大変貧しい食事しかできなかったそう。
だからこそ唐辛子を活用して、保存食や鮮度の悪い食材も衛生的に食べられるように工夫していたのですね。
日本にアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノが普及したのは1970年後半。喫茶店でナポリタンやミートソーススパゲッティに変わるパスタとして名を広く知られるようになりました。
当時はたくさんの具材と入れて提供されることが多かったようですが、1990年のイタ飯ブームの際に本来のレシピで提供されることが多くなりました。
さまざまなペペロンチーノ
現在の日本ではさまざまな食材とコラボしたペペロンチーノが楽しめます。
シラスペペロンチーノや京野菜の万願寺唐辛子をつかったペペロンチーノ、大葉などの香味野菜を効かせたペペロンチーノがあります。
とても「絶望のパスタ」といわれるようなものとは程遠く、華やかでおいしいパスタです。
自分の工夫次第で楽しめるパスタなので、ぜひこの機会にご賞味ください。