ヴュー・リール -フランス市民に愛されるメジャーなチーズ-
独特の臭いがする“ヴュー・リール”。フランスではスーパーでも目にすることのできる、メジャーなチーズのひとつです。
ヴュー・リールとは?
ヴュー・リールはフランス原産のウォッシュタイプのチーズです。原料は牛の乳100パーセント。表皮はベトベトとした触り心地で、四角に成形されているものがほとんどです。塩水のみで洗われて、約3ヶ月程度熟成されています。
このヴュー・リールはウォッシュタイプの中でも臭いが際立っているチーズとして有名。プアン・ド・リール=臭いリールのチーズという別名があるほどの臭いです。
例えるならばそれはアンモニア臭と酵母が混ざった臭い。一度、嗅いだら病みつきになる人もいれば、もう二度と嗅ぐことができない!なんて人もいるようです。
ヴュー・リールの歴史
ヴュー・リールがつくられているのはノルマンディー地方。ベルギーとの国境付近にあるリールという町です。この町は石炭鉱山が栄えた町。ですので、もちろん物流も悪く、ヴュー・リールは保存食という名目でつくられていました。
そのため、ヴュー・リールは塩分が3~4パーセントと高いのもひとつも特徴。保存食としても、汗をたっぷりかいて働く炭鉱夫の朝食としても当時は重宝されたそうです。
ヴュー・リールのおいしい食べ方
ヴュー・リールは塩味・臭いの強いチーズですので、そのまま食べるのはなかなか勇気がいります。もし、そのまま食べるのなら濃いコーヒーと合わせるのがオススメ。
そのままたべるのはちょっと難しそう…と感じる方はパンやクラッカーにのせたり、茹でた野菜につけて食べるのがオススメです。パン・クラッカー・野菜はできるだけ味の薄いものを選ぶとさらにおいしく食べることができますよ。
また、熟成の浅いうちは芯の残った食感ですが、熟成が進むに連れてトロトロとした食感に変化していきます。ただ、なめらかな触感になるにつれて、臭いもさらに増していくので注意が必要です。
ヴュー・リールに合うオススメのワイン
ヴュー・リールはお酒にぴったりのチーズです。ワインは軽めのフルーティーな白・赤ワインが相性抜群。ヴュー・リールの臭いを程よく打ち消してくれます。
また、地ビールのようなアルコール度数の高いビールも◎日本酒とも相性が良いです。
チーズの塩辛ともいわれるヴュー・リール。初めは苦手かもしれませんが、知れば知るほどクセになってしまうチーズです。特にM.O.Fのチーズ熟成士「クリスチャン・ジャニエ」のヴュー・リールは絶品と評されていますので、見かけたらぜひチャレンジしてみてくださいね。