パイ -料理にもお菓子にも大活躍-
サクッとした食感を楽しめる”パイ”。料理やお菓子によく使われていて、世界各国でさまざまな姿を魅せています。
パイとは?
パイは主に小麦粉とバターなどで練った生地に、食材を包んで焼き上げた料理の総称です。有名な料理はアップルパイやミートパイ、カスタードパイ、ミルフィーユなどがあります。
基本となるパイのつくり方は2パターンで、バターの塊と生地に折り込む「折りパイ」とバターを小麦に馴染ませてつくる「練りパイ」があります。
折りパイのつくり方は小麦粉と水、溶かしバターを加えた生地を形成し、そこに冷たいバターを包み、伸ばしで折りたたむ行程を繰り返すことで完成させます。
練パイは小麦粉に水、そこに冷たいバターを加え生地を成形。その生地を伸ばす・折りたたむ行程を繰り返し、層をつくっています。
折りパイの方はバターが含まれている量も多いため、焼きあがるとサックリとした食感に。練パイはクッキーと折りパイの中間ぐらいの食感に仕上がります。
層は、伸ばす・折り返す行程を多くすれば多くするほど増えていきます。しかし、伸ばし、折りたたむ行程の中でバターが完全に溶けてしまうと層が崩れ、軽い食感がなくなってしまうので、理想のパイに仕上げるためには熟練の技が必要です。
パイの歴史
パイの原型となったものは古代エジプトの「ウテン・ト」という揚げ菓子と中近東でポピュラーな「バクラバ」というお菓子が有力とされています。
当初のパイは食用ではなく、かまどで食材を焼くための器のような用途で使用されており、食べられていることは少なかったそうです。
16世紀に入ってからオーブンの性能が高まり、よりおいしく食べるためのパイのレシピが出回りはじめ、次第に家庭料理としても普及しました。
パイをつかった料理
まず、甘いパイはピーチパイ、バナナパイ、パンプキンパイ、チェリーパイなど。果物や野菜などは焼き上げる過程で水分が出やすいので、甘く煮たものやクリーム状にしたものを包むことが多いです。
また、カスタードクリームパイやレモンクリームパイ、キーライムパイなど、クリーム自体を包んで菓子パイとしているものも世界中で多く見受けられます。
食事系のパイは、ステーキ・アンド・キドニーパイ、ポークパイ、ハンギパイ、スターゲイジー・パイなど味付けした牛肉や豚肉、ラム肉などを包んだものが多いです。
キッシュのように焼き上げたパイ生地の上にフィンリングを注ぎ、さらに焼き上げた料理があります。
また、直接パイを食べるわけではありませんが、フランスの調理技法でパイ生地を鍋とフタに貼り付け、それごとオーブンで焼き上げる調理法も存在しています。