ラムネ -ビー玉はおまけではない?!-
シュワとはじける炭酸が爽快な“ラムネ”。飲んでいる時に鳴るカラカラとしたビー玉の音色が懐かしさを与えてくれます。
ラムネとは?
ラムネはレモンやライムの風味がついた炭酸飲料のことです。日本から古く愛されている定番の飲み物で、「夏の風物詩」にもなっています。
飲料はくびれたボトルに入っていて、中にビー玉が入っているのが特徴。初めはボトルの口にビー玉が圧着されているのですが、付属されているT字のプラスチックで押し込むことによって飲み口を開封します。
ラムネと似ているサイダーとの違いは香料や砂糖の配合の違いで、サイダーは主にりんごの香料が使用されていました。
現代ではラムネやサイダーの味が香りも多様化してしまったので一概にはいえませんが、ラムネやサイダーが発売された当時はりんごの香料のほうが値段が高く、それを理由にラムネは庶民的な飲み物、サイダーは少し高級な飲み物という位置づけがあったそうです。
ラムネの歴史
ラムネの原型となった飲み物はレモネードです。そのレモネードを日本に伝えたのは、1853年に黒船で日本へやってきたあのペリー提督。船上で交渉役の役人たちに振る舞ったことが始まりです。
この飲み物がおいしかったことから日本でも試行錯誤して、1865年に長崎県でレモン水という飲み物が発売されます。しかし、このレモン水という名前が広がる際にうまく伝わらず、訛った呼び方「ラムネ」が全国に広まったそうです。
ラムネの容器について
ラムネの最大の特徴はやはりあの独特の瓶に入っているというところです。この瓶はコッドネックボトルと呼ばれていて、1880年代頃は多くの飲料がこの瓶に入れられて売られていました。
しかし、時代が進むにつれて缶やペットボトルが主流になり、コッドボトルは使用される機会は減少しています。
コッドボトル内に入っているビー玉は「おまけ」ではなく、この瓶に飲料をいれてすぐに瓶を逆さまにすることで、炭酸ガスの圧力で飲み口を密封させるために入れられているのが目的です。
そのため、この瓶は約25回洗浄して再利用することが可能で、飲み終わったものは回収するというのが大前提の飲み物でした。ただ、このビー玉を集めることもひとつの楽しみとして広まっていったため、再利用される割合は少なかったようです。
多様な飲料が発売されていることや容器代が高い、生産性が悪いなどの理由から徐々に姿を消しているラムネ。久しぶりに手にとって味わってみてはいかがでしょうか?