リンバーガー -世界の臭い食べ物ランキング10に入ったチーズ-

世界の臭い食べ物ランキング10に入賞した経歴をもつ“リンバーガー。臭いを嗅いだ人の中には失神してしまう人がいるほどのチーズです。
リンバーガーとは?
リンバーガーはベルギー原産のウォッシュタイプのチーズです。原料は牛の生乳が100パーセント。
多くは長方形で表皮はオレンジ色になっています。味わいはほんのりとミルクの味を感じる、なめらかなテクスチャーですが、それを感じさせないほどの強烈な臭いを発しているのが特徴です。
さまざまなチーズを紹介してまいりましたが、リンバーガーはその中でも最上級で強烈な臭い。
世界の臭い食べ物ランキングの中ではトップ10入りも果たしている強者です。その臭いを例えるなら古漬けとおじさんの3日間程度履いた靴下の臭いをさらに凝縮した臭い…。本当にこれは食べられるのだろうか?初めて食べた人はなんで良しとしたのだろうかと疑ってしまいそうになるチーズです。
リンバーガーの歴史
リンバーガーは修道院で多くつくられてきたチーズでした。当時は保存食としてつくられていたものですから、しっかりと水を切り加塩をして熟成をさせるのがベター。
その中でもリンバーガーはしっかりと水切りをするために手や足で踏んで水切りをおこなっていました。これにより、結果的にリンバーガーは世界に名をとどろかせるチーズに変貌しました。
なぜならリンバーガーの臭いの正体は人間の皮膚に生息し、体臭のもとのなる「リンネス菌」というバクテリアが発しているものだからです。これを想像するとちょっと臭いを嗅ぐのも口に運ぶのも躊躇してしまいそうです。
でも、現代では毒性のないリンネス菌を付着させて衛生的な環境でつくられているため安心して食べることができます
しかし、やはりその強烈な臭いのせいで万人受けするチーズとしての認識はありません。
チャップリンの映画「担へ銃」の中にもリンバーガーが登場しています。ドイツ軍の塹壕の中にリンバーガーを投げ込んで大混乱を巻き起こすというシーンがあるほど、リンバーガーは当時からネタになることのほうが多かったようです。
リンバーガーのおいしい食べ方
リンバーガーをおいしく食べるにはクセのあるチーズを愛し、幾度も修行を重ねることが最適です。表皮をとったり、加熱しても臭いは軽減しませんので、そのまま食べるのが一番。パンに乗せる、ナッツと合わせるなどシンプルに味わうのが良いでしょう。
リンバーガーに合うおすすめのワイン
どっしりとボディの強い赤ワインがおすすめです。また、臭いに慣れればなめらかでクリーミなテクスチャーが楽しめるようになるので、コクのある後味にややベリーを風味を感じるような赤ワインをセレクトするのも良いでしょう。
日本ではなかかリンバーガーを目にすることは難しいですが、人生で一度は試す価値のあるチーズの中のひとつかもしれません。