マロワル -上級者向けのチーズ-
ザ・ウォッシュタイプのチーズというほどの強烈な臭いの発する“マロワル”。1000年も前からつくられている北フランス伝統の味です。
マロワルとは?
マロワルはフランスのティエラッシュ地方にある、マロワル村で主につくられているチーズです。ウォッシュタイプに分類されるチーズで、約1000年以上も前からつくられています。
四角い形をしていて、一番大きいサイズ(720g)のものが「マロワル」、2番目に大きいサイズ(575g)のものを「ソルベ」、小さめのサイズを(360g)「ミニヨン」、そして1/4サイズを「カール」と言い換えているようです。
臭いは強烈なアンモニア臭。家で食べるのは躊躇しそうなほどの臭いがします。
味は慣れている人にとってはコクや旨味を感じますが、塩味も強いのでチーズ初心者にはあまりおすすめできません。
ただ、何度も繰り返すことによっておいしく感じてきて、病みつきになるようになります。パンチのあるチーズが食べたいと思った時には、ぜひ挑戦してもらいたいチーズのひとつです。
マロワルの歴史
マロワルがつくられていたのは修道院がはじまりです。熟成期間は最低でも5週間。ウォッシュは塩水で繰り返しおこなわれています。
マロワルの表皮の色は地下室で熟成をしたことによる自然発酵によるもの。しかし、現在では衛生管理の行き届いた熟成室で熟成が進められているため、実際には自然発酵は起きていません。
ただ、1000年以上もの間親しまれてきたチーズなので、当時の見た目や伝統を重んじるために、現在では赤い着色料を使用してレンガのような色を再現しています。
マロワルのおいしい食べ方
マロワルは強烈な臭いですが、熱を加えると臭いを抑えられるという特徴があります。
北フランスでは「タルト・フラミッシュ」というパイ生地にスライスしたマロワルと牛乳、卵を流して焼き上げた、キッシュのような食べ物がポピュラー。臭いがまったくなくなると言うわけではありませんが、比較的やわらいかい臭いになるので食べやすくなります。
マロワルに合うおすすめのワイン
マロワルの臭いやクセに負けないくらいのフルボディの赤ワインがおすすめです。お互いをどっしりと感じることができるので、なかなかの食べごたえや飲みごたえを得ることができます。
また、芳醇な香りのベルギービールと合わせるのもおすすめ。マロワルの生産地、マロワル村はベルギーとの国境付近の村なので、ベルギー産のビールとの相性もバッチリです。