パンドーロ -クリスマスシーズンに食べられる「黄金のパン」-
黄金のパンという意味をもつ”パンドーロ”。いくつもの伝統菓子の製法や材料が組み合わされて完成した、ちょっとリッチなパンです。
パンドーロとは?
パンドーロはイタリアでクリスマスの時期によく食べられているパンのことです。
星型の高さがあるパンで表面のこんがりとした見た目とは対象的に、生地の中は黄色でキメの細かいスポンジのようになっています。
この見た目からパンドーロは別名「黄金のパン」とも呼ばれていてます。
使用している材料は小麦粉や砂糖、卵、バター、カカオ。酵母はパネットーネ酵母という仔牛の胃腸からのみ採取することができる酵母が使用されています。
パネットーネ酵母はパンドーロ同様、イタリアのクリスマスの時期に食べられているパネットーネというパンにも使用されている酵母です。この酵母は天然の保存料としても知られていて、焼きあがったパンドーロ、パネットーネは常温でも1ヶ月ほど品質を保つことができます。
イタリアではこのパンを12月の初旬頃に購入して、クリスマスになるまで朝食や軽食として少しずつ食べるのが定番となっています。
パンドーロの歴史
パンドーロの原型となったのはイタリアのヴェローナでつくられていた「ナダリン」というパン菓子と言われています。
ナダリンはパンドーロと比べるとバターの使用率も少なく、ふわふわとした食感があるものでもありません。形も高さも決まっているものではなく、一般家庭で気軽につくって食べられていたものだったそうです。
パンドーロがなぜ今の形や材料に定着したかの明確な記述は残ってはいませんが、ヴェネツィアの「パン・デ・オーロ」やオーストリアのパン菓子、ブリオッシュの製法や材料が組み合わされて、1894年頃に現在のパンドーロの形となったといわれています。
パンドーロのおいしい食べ方
パンドーロはドライフルーツやピールがたっぷりとはいったパネットーネと比べると非常にシンプルなつくりになっています。
近年ではチョコチップがはいったものも見かけるようになりましたが、やはり生地のみのパンドーロのほうが人気があるようです。
食べ方はまずパンドーロ全体に粉砂糖やココアパウダーをふりかけて食べるのが一般的。ビニール袋に粉砂糖やココアパウダーとパンドーロをいれて、ふりふりするのが良いとのことです。
薄くスライスしてそのまま食べたり、生クリームやアイスクリームを乗せるなど食べ方は自由自在!
最近は星型の形を利用して、パンドーロを横2センチ程度ずつにスライスして、ずらして飾って、クリスマスツリーに見立てて楽しむ家庭も多いようです。
イタリアの文化に触れながら楽しいクリスマスを演出するために、今年はパンドーロを味わってみてはいかがですか?