リゾット ーおかゆとは違うイタリアの米料理ー
イタリアを代表する米料理“リゾット”。日本でも定番となっているイタリア料理のひとつですが、いったいどのようにしてつくられるようになったのでしょうか?
リゾットとは?
リゾットはイタリアを代表する米料理のひとつです。使用されるお米は日本で一般的なジャポニカ米とは異なり、細長い形をしたイタリア米を使用することがほとんど。
つくり方は簡単。お米はそのまま研がずにバターで炒め、野菜や魚・牛などのブイヨンで煮立てていきます。
お米に水分が足りないようだったらさらにブイヨンを加えて、お米の中心に芯が残るアルデンテの状態にできれば出来あがりです。
日本の炊飯とはまったく違っていて、「赤子泣いても蓋を取るな」などの決まりはなく、お米の水分の含ませ方については人それぞれとなっています。
リゾット=日本でいうところの雑炊と考えている方も多いですが、正確にはその答えは「△」。
雑炊よりも水分を含んでおらず、油脂を比較的多めに含んでいるところを考えるとこの料理はリゾットとしかいいようがありません。
スープに浸っている状態でリゾットとして提供しているお店もありますが、そちらも正確には「ズッパ」という料理でリゾットとは分けて考えられています。
リゾットの歴史
イタリアはヨーロッパの中でお米の生産量No.1の国です。もともとお米はアジアから伝わったものといわれていて、古代ローマ時代より食料や薬として栽培されていました。
他穀物よりも高価な値段がついていたので栽培する人がまたたく間に広がり、イタリアでは主にポー河沿岸の湿原地が栽培地となっていました。
急速に広がった稲作栽培のおかげで15世紀の大飢饉やペストの大流行で食糧難になった時代も、お米を食べることで凌げたそうです。
ただし、お米を栽培するのに適した環境は北イタリアが中心で、南イタリアではほとんどお米を食べる習慣がないとのこと。日本のように全国どこでもお米が食べられるというわけではありません。
おいしいリゾットのつくり方
日本では日本米を使用したリゾットを提供されることが多いですが、イタリア米を使用してつくったほうがおいしいリゾットが出来あがります。
日本米でリゾットをつくってしまうと、どうしても粘り気がでてしまって糊のような食感になってしまうので、本格的なリゾットをつくる時にはお米の種類にこだわるのが良いでしょう。
きのこや海鮮、ブイヨンの違いによってさまざまな味わいに変化する「リゾット」。シンプルな料理だからこそ突き詰めていくと奥が深い料理です。